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Incaseで学ぶバックパックの正しい背負い方

ただ荷物を入れて背負えばいいというものではない。バックパックには“正しい背負い方”があり、それを怠れば不必要に負担感が増したり、体の一部に無理が生じたりしてしまいかねない。Incaseのバックパックを使って“正しい背負い方”を学ぼう。

自分の体型にマッチしたバッグを選ぶ

大前提として重要となるのが、バックパックの大きさが自分の体にマッチしていることだ。小さすぎず大きすぎない、適正なバックパックの大きさを理解したい。

背面長が合っているかをチェック

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自分にとって適正なバックパックの大きさとは、何なのか?
大切なのは、背面長だ。背面長とは、バックパックの背面の長さのこと。この背面長が、あごを引いたときに首の裏で盛り上がる第七頸椎あたりから腰骨までの長さと同程度であることが望ましい。
この背面長はスペックとして表記されていないことも多い。実物を試してみるのが一番だが、ショルダーハーネスの取り付け位置よりも高いトップポケットが設けられていない場合は、背面長≒バッグそのものの高さと考えて差し支えない。
また、バッグパックの横幅が体からはみ出していないことも確認しておきたい。

好みのバックパネルを選ぶ

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バッグを選ぶ際は、バックパネルにも目を向けよう。
・体へのあたりを柔らかくするクッション芯材の有無
・通気性を高めるメッシュの有無
・形状
用途や好みによって条件は変わるが、クッション性や通気性があり、自分の背中に沿うようにして背負え、異物感のないものを選ぶようにしたい。

快適に背負えるようバッグをアジャストさせる

自分に適したバックパックを手に入れたら、次にフィッテイングを行おう。各所をアジャストさせることで、背負い心地を向上させられる。

荷重のベストバランスは肩30%:腰70%

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フィッティングを進める前に知っておきたいのが、荷重のベストバランスについてだ。ショルダーハーネスを両肩で抱えるため、バックパックは肩で背負うイメージがあるかもしれないが、実際は腰で支えることが大切だ。理想的なバランスは、肩30%:腰70%。それを実現することで荷重がうまく分散し、体にかかる負担感を大きく軽減させられる。

ショルダーストラップを調整してバッグを腰の高さに合わせる

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フィッティングを進めるとき、最初に指標となるのが腰の高さだ。バッグの底部が腰骨に自然と乗るくらいの位置にくるよう、ショルダーストラップの長さを調節しよう。バッグの底に詰まった荷物が、ウエストのくびれた部分にあたるくらいの感覚だ。

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通常、ショルダーストラップにはラダーロックと呼ばれるテープアジャスターが付属し、簡単な操作で長さを調節できるようになっている。具体的にはショルダーストラップの端を引っ張れば短く、ラダーロックを持ち上げて緩めると長くなる。
バックパックが適切な位置にくるようショルダーストラップの長さを調節した場合、そのままだとバッグを降ろしづらくなるため、緩めたほうがいい。そのため、背負う・降ろすといった動作のたびにショルダーストラップの長さは調節すべきだ。

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なお、ショルダーストラップの余りが気になる場合は、ウェブドミネーターやベルトクリップといったパーツを使ってコンパクトにまとめることもできる。

チェストストラップを締める

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ショルダーストラップを最適な長さに調節したら、次にチェストストラップを留めよう。
高さは腕の付け根あたり、上着のボタンやポケットと干渉しない位置に。きつく締める必要はなく、ショルダーハーネスがよれてしまわない程度で留める。
チェストストラップを適切に付けられれば、移動中にショルダーハーネスが肩から滑り落ちてしまうのを予防でき、余計なストレスがなくなる。

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チェストストラップがないモデルには、後付で別売パーツを取り付けるのも手だ。それによって背負い心地は格段に向上する。

背中に隙間を作らないようにする

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ショルダーストラップの長さを調整したうえで、背負うときには背中に余計な隙間が生じないようにしよう。隙間が空いているとバックパックの重さが正しく肩に乗らず、負担感が増してしまう。

ロードリフトストラップでバッグのバランスを整える

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一部モデルには、ショルダーハーネスの取り付け部にロードリフトストラップと呼ばれる調節ストラップがついている。背負った上でこれを絞るとバッグが肩に密着し、行動中に左右に横ブレするのを防ぐことができる。

パッキング術を身につける

正しいフィッティングを行えたら、荷物をしまい込むパッキングについても気を配ろう。正しい場所に収納できれば、移動中に感じるストレスを改善できる。

重さや使用頻度に合わせる4つのセクション

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荷物を収納する際は、上写真のように4つのセクションを意識して割り振るのがいい。
①上部……軽量で、移動中に頻繁に出し入れするモノ。スマホや財布など。
②外側……少し重量があり、移動中に頻繁に出し入れするモノ。手帳やパスケースなど。
③内側……重量があり、移動中に頻繁に出し入れしないモノ。ノートPCやタブレットなど。
④下部……軽量で、移動中に頻繁に出し入れしないモノ。衣服や雨具など。
利便性を高める上では「出し入れのしやすさ」が大切だが、移動中の負担感を和らげるには「重量」を考慮したほうがいい。重い荷物はできるだけ体に近い中央部に収納するようにしよう。

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荷物の重量が下部に集中してしまうと体が下方に引っ張られ、肩に余計な負担がかかるとともに歩行時の安定性を損ねてしまう。また、重量のあるモノが外側にあったり左右どちらかに傾いたりしていると、歩行するたびバッグが振り子のように動いてしまう。そうならないように注意が必要だ。

コンプレッションストラップで荷物を背中に引き寄せる

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バッグのマチ幅を調節できるコンプレッションストラップがついている場合は、背負う前に絞っておこう。内部の余計な隙間がなくなり、重量のあるモノが外側に移動して負担感が増してしまうのを防げる。

アクセサリーも活用する

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移動中の利便性を高めるなら、ショルダーハーネスにポーチを取り付けるのも手だ。ワイヤレスイヤホンやパスケースなどを収納できれば、いちいちバッグを降ろす手間がなくなる。

使用したバックパック&アクセサリー

ICON Backpack

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16インチまでのノートPCが入る専用のテックコンパートメントを備え、B4サイズに対応した定番バックパック。チェストストラップやロードリフトストラップを装備し、快適な背負い心地も提供する。

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City Compact Backpack

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クッションが360度施されたテックコンパートメントを内蔵する、シンプル&モダンデザインのモデル。大型のトップポケットを備え、頻繁に出し入れする小物をまとめて収納しておける。

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A.R.C. Daypack

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ノーマルなデイパックとは一線を画す機能性と、無駄のないシンプルなデザイン性を兼ね備えたバックパック。ショルダーハーネスとバックパネルには、通気性が良く優れたクッション性が特徴なOrtholiteを使用。サイドパネルには、ドリンクボトルも収納可能な伸縮ジップ付きポケットを装備する。

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A.R.C. Travel Pack

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都会的でトラベルユースに特化した、無駄のないデザインを特徴とするモデル。エクスパンション機能を有し、マチ幅を約8cm拡張可能。コンプレッションベルトもあり、マチ幅を調節できる。

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Chest Strap

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どのバックパックにも後付できるチェストストラップ。バックパックと体とのフィッテイング性を高めてハーネスの不快なズレを防止する。ハーネス固定部分にDカンが付き、キーホルダーなどを装着可能。

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Transfer Earbud Case

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カラビナや面ファスナー付きテープを備え、バックパックのショルダーハーネスなどに装着できる小型ケース。起毛裏地を採用し、中に入れた荷物に小キズがついてしまうのを防ぐ。

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快適なライフスタイルを過ごすために正しい知識を

どれほどハイスペックなバックパックを手に入れても、正しい背負い方を理解できていなければ宝の持ち腐れだ。自分の体型にあったサイズの測り方やフィッティング方法、パッキング術を身につけて、快適なライフスタイルを過ごしたい。

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